ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ウクライナ支援の見返りに同国産レアアース(希土類)を米国に供給すると定めるトランプ米政権との合意文書への署名を拒否したことを認めた。理由について「利益分配と安全保障の関連」が明確でなく、詳細を詰める必要があったためだと説明。今後も両国が署名に向けた協議を続けるとした。
ミュンヘン安全保障会議出席のため訪問中のドイツ南部での記者団への発言としてウクライナメディアが伝えた。
これに先立ち、ウクライナと米国の代表団は14日、同会議に合わせて交渉を開催。ウクライナの鉱物資源権益の50%の譲渡を求めた米国の合意文書案に対し、ウクライナ側が難色を示し、ゼレンスキー氏は署名を見送ったと報じられていた。
支援の見返りとしてのレアアース供給案は、トランプ米大統領とゼレンスキー氏がともに言及している。ただ、レアアース供給が過去の支援に対する対価なのか、今後の支援継続に対する保証なのかは判然としていない。(小野田雄一)
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